レロンソン

 ベトナムから見て、日本はとても重要で大切な存在です。日本は他の国に先んじて1973年からベトナムと外交を結ぼうとし、しかも投資に対する見返りを求めませんでした。こういった姿勢も含め、ベトナムは日本を「戦略的パートナー1」としてだけでなく、心から信頼出来るお兄さんのような存在と見ています。日本と共に発展していこうというのがベトナム政府の方針です。
 私自身、すぐに日本に馴染むことができました。来日初日で「この国は大丈夫だ!」と確信しました。


 

平澤様

 日本人とベトナム人は、何か通じるものがあるのではないかと思います。人が好いところとか、どこか感覚的に似ているのですね。
 異なる国が協力するといったときには、お互いに信頼しあえることが一番望ましい。ちょっとしたことで裏切るということはあってはいけません。変なこだわりを持たず、素直に一緒に組めるか。ベトナムは、その日本人との親和性の高さから言って、日本との協力関係の構築、向上が期待できます。更に言えば、歴史的、地勢的に見ても東アジアの中で日本以上に上手く動くことができ、全体をまとめる役目にもなると思います。


 

レロンソン

 実際、ベトナムは2008年、2009年と国連安保理の議長国であり、また、今年(2010年)からASEANの議長国2 にもなっています。ここをしっかりと務めあげるか否かが、ベトナムの今後の国際的立ち位置に大きく関わってくると思います。
 ベトナム人に対してはどのような印象をお持ちでしょうか。


 

平澤様

 先日、シリコンバレーに行った際にとある企業の社長と話す機会がありましたが、ベトナム人は非常に優秀だと仰っていました。自社の製品の出来不出来に関して、ベトナム人の製作したものが圧倒的に良かったそうです。手先が器用であったり、視力が良かったりということもありますが、邪念が無く、仕事に対する忠誠心と言いますか、ベトナム人の勤勉な姿勢を褒めておられました。
 また、私が付き合ってきた方々は、仕事を更に改良することに自分の生き甲斐を感じてきた。そういうところがベトナムの方々にはあると思うのです。

 

 

レロンソン

 ベトナムに進出しておられる日系企業の社長の方を訪問した際に、同じことを伺いました。加えて、指示されたことだけではなく、改善点をあげてくること、これがベトナム人の特長であり、日系企業にとって非常にありがたいと仰っていました。
 ベトナム人が遅くまで会社に残って仕事を行うかというと、彼らは家族を大事にするという感覚が非常に強いので、一旦家には帰ります。これは弊社のスタッフも同じです。しかし、彼らは家に仕事を持ち帰り、翌日には仕上げてくるのです。仕事に対するプロフェッショナルな姿勢において、ベトナム人は日本人に非常に近いものを持っています。

 


平澤様

 何が良い悪いかはもちろん一概には言えませんが、日本の企業目線で見れば、その姿勢は非常に助かると思います。いつまでもそれに甘えていてはいけませんがね(笑)私が社会に出たのは1955年ですが、その当時の日本と、今から10年前のベトナムの初任給が同等です。そこからの双方の発展状況を見てみると、日本とベトナムは非常によく似ています。ベトナムが更なる経済成長を遂げる可能性は大いにありますね。しかも平均年齢が若いです。それもかつての日本と近いところです。

 

 

1 戦略的パートナー

 2007年 11月に「日本・ベトナム間の戦略的パートナーシップに向けたアジェンダ」が発表され、以降、両国は政治、経済、文化、人的交流などの幅広い分野で進展を遂げてきている。
 2009年4月には、「アジアにおける平和と繁栄のための戦略的パートナーシップに関する日本・ベトナム共同声明」が発表され、更なる協力関係の構築が期待されている。



2 国連安保理、ASEANの議長国
 ベトナムは、2006年にアジア太平洋経済協力首脳会議(APEC)議長国となり、その後も2008年、2009年に国連安全保障理事会(国連安保理)の議長国、2010年に東南アジア諸国連合(ASEAN)の議長国に就任するなど、国際的にも存在感を持ち始めている。